合掌造り関連用語

平村教育委員会 「相倉の合掌造り」より

か行


言葉 分類 説明
カイドウギ 作業 葺く時に使われる足場丸太で、屋根面に密着してヒラに取り付けられる。屋根葺き作業の唯一の足場。
カイドウサオ 作業 カイドウギの項参照・同意語
カカザ 名称 茅屋根を囲炉裏の座名でその家の主婦が座るところ。
カギヅリ 名称 囲炉裏の吊り用具で、「自在かぎ」のこと。
カキムシロ 名称 合掌造りの民家入口などに、昔は戸のかわりにムシロが一枚下げてあった。このムシロ(筵)のこと。
カタギ
(堅木)
部材 広葉樹などの中での堅い木をいう。欅など。
ガッショウ
(合掌)
部材 ここでいう合掌は、組み合わされた骨組みの状態の材をいい合掌木ともいう。
ガッショウ
(合掌)
状態 仏教用語としての合掌。手のひらを合わせている姿になぞらえて、五箇山地方の伝統的形態の民家を合掌造りという。
ガッショウコヤヅクリ
(合掌小屋造り)
名称 屋根だけの小屋造りでこれまで色々な言い回ししてきたが、本報告書から原始合掌造り改め「合掌小屋造り」とする。相倉では中島家所有の建物を言う。   命名は高田善太郎氏の研究による。
ガッショウジリ
(合掌尻)
部材 合掌尻とは合掌組三角形の両隅部を言う。
ガッショウバリ
(合掌梁)
部材 三角形の底辺であり、ここでいう合掌梁はソラアマとアマを区切っている梁。ウスバリの項参照
カヤニョウ
(茅ニョウ)
名称 秋に山の茅場から刈り取ってきた茅を、穂先を芯に同心円状に積み上げたもの。
カヤバ
(茅場)
名称 コガヤの場合、山にたんにじせいするものではなく、人手が入ることで葺き茅は育つ。その育生場のこと。
カヤモタセ 部材 茅を葺く時の杭竿下端の横方向(屋中と同方向)ひあてがう丸太のことで、これを基点に葺きあげる。
カヤユイ
(茅結い)
作業 茅結びの作業名。カヤのユイといえば茅を借りて返すときにもいい、ユイ返し、ユイなしという用い方としても使われる。
カヤユイ
(茅結い)
状態 茅屋根を葺くため、地縁血縁関係にある集落内等での家々間の協力関係にある仲間のこと。
カヤヤネフキのユイ
(茅屋根葺きの結)
状態 屋根葺きの時の、労力の貸し借り交換をいう。この場合にもユイなしという言い方がある。
カンザシ 部材 ミズハリの項参照
カンショ
(閑所)
室名 センチャともいい、大便所のこと。
キヨセ
(木寄せ)
作業 建設用材を集めることをいう。
キリカエ 名称 屋尻の先端。
キリカエカヤ 部材 キリカエ部分には茅を余分に束ねて茅を入れ葺き上げる。この部分に入れる茅のこと。
キリカエキリ 作業 屋根の雪が地面と繋がった場合、放置しておくと屋尻が雪の引き下がる力によって破損する。そのために雪の繋がりを切断することをいい、また屋根葺き作業のなかで、キリカエ部分の茅を十分に切り揃える作業のことにも、この言葉が使われる。
キリカエタタキ 作業 キリカエ部分の茅を単に切るのではなく充分にたたいた上での作業、この叩くことをいう。
クギザオ
(釘竿・杭竿)
部材 合掌材に直角に屋中、さらに合掌材と同じ流れで縄で取りつけられる丸太材のこと。
クサゲタ
(草桁)
部材 合掌尻に取りつけられる屋中の一種。その役割はサシ、ハネガイの根元を固め、アマからオエへの隙間風止め。また屋根先からの杭竿は、いったん草桁で受けるため他の屋中より太めのものを使用している。
クツワフジ
(轡藤)
部材 オサエとミズハリを緊結する縄。かっては藤蔓、葡萄蔓が使われたが、藁縄から番線へと変化。
クラカケガヤ
(鞍掛茅)
部材 茅屋根の棟の両破風近くの額の部分にあてられる茅のこと。
ゲタ
(下駄、桁)
部材 足元の保護あるいは一段高めにする部材類語としてはシキゲタなどもあり、ゲタは地面に接するところに置く材が本来の意味。合掌小屋造り等に見られた。
コエオケオキバ
(肥桶置き場)
室名 肥桶を置く場場所。カンショ(便所)の中にコエアゲバがある。
コガイ 名称 蚕のことをいう。
コガイサマ 名称 蚕のことを敬称つけての呼び方。
コーバシアエ 料理 屋根葺き作業の食事等に出される料理の一種。
コロムネ 名称 合掌造りの民家では、仏壇は下屋を建て出しているが、この下屋の屋根部分のことをいう。
コロムネヅクリ 名称 合掌造り妻側に設けられる仏壇と床の間を設けるための落屋のことで、特にこの部分をコロムネ造りという。
コーリャク 作業 作業などの協力する形態で、返しのない協力。



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